Trouble(CL1)


これまでに起こった、ユーロRのトラブル情報です。

Speed Sensor

これは私が体験したトラブルではないのですが・・・。
Euro-R Evolutionの管理人である、てらやんさんが、1年以上前から速度信号不良で悩んでいたのをご存じの方もおられるかもしれません。
速度信号が異常だと、スピードメーターが動作しなくなる、ECU警告灯が点灯する、パワステが効かなくなるなどの症状が起こり、これが走行中に起こると大変危険です。
そこで、てらやんさんと一緒になって原因を追及していました。
まず最初に疑ったのは、速度信号を分岐している配線の不良(ナビ、デジタルスピードメーターなど)でしたが、配線をやり直しても改善しませんでした。
そこでミッションについている速度センサーも交換したのですが、これでも改善が見られません。
色々調べた結果、まきちゃんさんがオシロスコープで調査中に、速度センサーのカプラーが腐食していることを発見されました。
他にも何人か同じ症状の方がおられるようなので、私も点検してみることにしました。

まずはインテークホースを取り外します。
速度センサーの場所は、サーモスイッチ(中央付近の緑色カプラー)の真下になります。

かなり奥まったところにあります。

外してみると、カプラー側は問題ありませんでした。

センサー側も問題ないようです。

結局私のユーロでは問題ありませんでしたが、該当する症状が起こったことのある方は点検してみるとよいでしょう。
原因はカプラーに配線が入っている部分の防水パッキンが不良なのではと思われますが、詳細は不明です。
てらやんさんの車(フレームナンバー3桁)と同時期の車によく起こっているという話もありますが・・・。

(2004.2)

MT oil leak

すでに修理してしまったので漏れた状態の写真はないのですが、ミッションのトップカバー付近からオイルが漏れていました。
発見したのはブレーキパッド&ローターを交換しているときだったのですが、サスペンションアームがなぜかベタベタしていました。
上に辿っていくとそこはミッションだったので、ディーラーにて修理してもらいました。

原因はセレクトレバーのシャフトのパッキンからの漏れということで、これを交換してもらいました(保証扱い)。

微量であれば特に問題はないのですが、気づかないうちに大量に漏れていることもありますので、点検をお勧めします。

(2004.2)

BrakePipe Grommet

フロントのブレーキパイプがエンジンルーム内のABSモジュレータに入る部分に、車体とパイプが接触しないようにゴムのグロメットがはめてあります。
足回りを何度か分解しているうちに気付いていたのですが、どうやら私のユーロRはブレーキパイプの通っている位置が悪いために、パイプとグロメットが干渉しており切れかかっているようです。

かなり下側にずれているのがわかると思いますが、このままでは後々トラブルに発展しかねません。

そこでディーラーに持っていき、説明するとすぐに対応してくれました(保証扱い)。

グロメットを交換し、パイプを若干曲げて干渉しないようにしてあります。
些細なことではあるのですが、干渉したまま放置しておくと危険な事態が起こるかもしれません。
ステアリングを切ってのぞき込めばすぐにわかりますので、点検しておいた方がよいと思われます。

(2003.4)

Poor Acceleration

ネット上でもよく報告されているトラブル、加速不良にとうとう私のユーロRも見舞われてしましました。
30,000kmを少し超えた2002年6月の夕方のことでした。

急いでいたので暖気は30秒程度、緩い坂道にて3速1500rpm程度でアクセルを踏み込んだのですが、いつものように加速しません。「おかしいな?」と思いつつ更にアクセルを開けてもやはり加速しません。
2速に落としてやると少しは加速するものの、いつもとは全く違ったフィーリングです。
「とうとう来たか!(苦笑)」と思い、すかさずメーター類を確認しました。

そのまま5km程度走行すると、全然加速しないまではいきませんが明らかに調子がおかしい模様です。
アイドリングは問題ないようでしたが、走行するとエンジンが滑らかに回転しないような感じを受けました。
その後一度エンジンを切って再始動すると、元の調子に戻りました。

この加速不良の原因についてはいろいろな説があるようです。

RACV説
アイドリングを制御しているRACVの不調。このRACVはダッシュポットの役割も兼ねていて、AT車では変速ショックを緩和する役目もある、という話もあります。

ECU説
詳しいことはわかりませんが、ECUは様々な制御をしていますから何らかの影響はありそうです。

ノックセンサー説
ノッキングを感知してECUにそれを伝える、ノックセンサーの異常で起こるということです。

タペット説
ノックセンサーとも関連するのですが、タペット音がノッキングと判断されて起こるとのことです。

ノックセンサーは、ハイオクガスを用いるエンジンにレギュラーガスを入れた際に起こるノッキングを検知し、それをECUに伝えます。
ECUはそれによって点火時期を遅らせ(または点火マップをレギュラーガス用に切り替え)、ノッキングによってエンジンがダメージを受けないようにします。
ですから通常は、ハイオクガスを用いるエンジンにレギュラーガスを入れてもエンジンを壊すことはありません。
ただし最適な点火時期から外れますのでパワーダウンしますし、その分アクセルを踏み込むようになりますので結果として燃費も下がることになります。

その後は大丈夫なようでしたが、念のためRACVを清掃し、燃料系清浄剤を入れておきました。
もしも再発したら、今度はもっと詳しく調べてみるつもりです。

(2002.6)

Poor Acceleration(ECU change)

しばらくの間は再発しなかった加速不良ですが、その後しばしば起こるようになり色々と原因を考えてみました。

調べた結果、起こりやすい状況は

などのようです。

加速不良が起こってしまうと

という状態になります。

また、運転の仕方によってほぼ確実に再現できることを発見しました。
毎日仕事からの帰りに狭い坂道を通っているのですが、そこは2速だと余裕、3速だと何とか上がれるような坂道です。
そこを走るとき無理して3速でアクセルを踏み込んでいると、その内に必ず調子が悪くなってしまうのです。

以上のことから自分なりに考えて「ノッキングを起こった時の遅角制御に問題があるのではないか?」という結論に達しました。
水温が高い、吸気温度が高い、負荷が大きいというのはいずれもノッキングが起こりやすい条件です。
また、加速が悪く燃焼が悪いような排気音というのも点火時期が過度に遅れた状況と同じです。
点火時期を制御しているのはもちろんECUですので、これが怪しいと考えられるようになりました。

他に考えられるRACVについては、アクセルをかなり開けていても起こることから関係なさそうです(RACVはバイパス量の制御をするものなので)。
ノックセンサーについても過敏に反応することも考えられますが、その後軽負荷になっても症状がよくならないことから、これも関係ないと思われました。

自分なりに原因を考えた後、ディーラーに相談することにしました。
が、その前に念のため手持ちのパーツリストとバーチャルピットでECUの部品番号を調べてみました。
すると...パーツリスト(ユーロR購入時の物・6版)では
37820-PCD-004
となっているECUが、バーチャルピットでは
37820-PCD-014
となっており、末尾の番号が変更されていました。
部品の統廃合はよくあることなのですが、ことECUに関しては汎用性があるものではないので何らかの対策が為された可能性が高い、と思われました。
ちなみにバーチャルピットとは、ホンダのHPにあるパーツリスト等の閲覧ができるシステムです。
登録しておけば(所有車でなくても可)部品番号などを調べることができるので、大変便利です。

ディーラーに行ってこれまでの状況と私なりの意見、そしてECUの型番が変更になっていることを話すとサービスの方は素早く対応してくれて、すぐに調べて返事をすると言ってくれました(ちなみに私のユーロRのピストンリング交換作業をしてくれた方で信頼できるメカニックです)。
デジタル・スピードメーターやCMX-100など、ディーラーから見れば「怪しげな」パーツを付けていますので、そのことで揉めると(「そのパーツが影響しているかもしれませんから」などと言われると)面倒だなあと思っていましたが、その点では全く心配無用でした。
さて、それから10日ほど経って再びディーラーに行ってみると、残念ながらユーロRでは症状の報告及びはっきりとした解決法はないとのこと。
しかしそのサービスの方の判断でECUを換えてみましょう、ということになり既に入荷していたECUに交換してもらいました。
ECUの部品番号はやはり、37820-PCD-014 でこれまでとは違う型番になっていました。

ECU交換後、街乗りでのフィーリングは全く変わりません。
そしていつもの道でいつもの運転をしてみると...どうやら加速不良は起こらないようです!
いつもの運転とは、言ってみれば乱暴な乗り方ですので(故意にノッキングを起こす運転ですから)一瞬調子の悪い状態にはなりますが、その後ずっと悪いままということはなくなりました。
交換してからわずか3日ですので引き続き様子を見ようと思っていますが、少なくとも現時点ではこれまでより改善されているように感じられます。

その後しばらく経ちましたが、ECU交換後は全く再発していません。
SiR-Tに乗られている方でECUを交換しても再発したという話もありますが、私の場合は今のところ解決したようです。

(2003.8)

Engine Oil Consumption

すべての個体で発生するわけではないようですが、多くの事例が見られるエンジンオイルの異常消費です。
症状は2〜3000km程度の走行で、エンジンオイルを1〜3Lも消費してしまうというものです。
原因は、ピストンリング(オイルリング)の製品不良ということになっているようです。
私のユーロRにも起こりましたので、状況を書いておきます。

発見したのが2000年11月ごろ、総走行距離が約5000kmの時のことでした。
その前のオイル交換が約1500kmでしたから、オイル交換後およそ3500km走行していました。
備北ハイランドに行く数日前、一応オイルを点検しておこうと思った私は何気なくレベルゲージを引き抜き、ウエスでオイルを拭き取って再び差し込み、そして引き抜きました。
しかし...レベルゲージには一滴のオイルも付着していませんでした。
すぐには状況が理解できず、もう一度試してみましたが、結果は同じ。
これは入れるオイル量を間違えたか、漏れているのだ、と考えすぐに近所の(購入したディーラーではない)クリオ店に行き、リフトアップして漏れを点検してもらいました。私も一緒に立ち会ってサービスの人と一緒に見たのですが、どこにも漏れたような跡は見られません。
仕方がないのでとりあえずオイルを補充してもらいましたが、約2Lも入ってしまいました。
そのときはまさかオイル消費しているとは考えてもみなかったので、前回のオイル交換時の補充量を間違えたのだ、という結論になりました(しかし、私には微かながら前回の補充時に適正レベルまで入っていた記憶がありました...)。

そしていざ備北ハイランドへ行きましたが、気になってときおりオイルレベルを点検してみました。
が、特に減っては無い模様で走行会は無事に終わりました。
やはり補充量が少なかったのだろう、と思うことにしました。

しかしその後も気になって、時々レベルを点検していると...やはり少しずつですがレベルが下がっているようです。
こうなると、考えたくはないがオイル消費している可能性が高い、そう思って購入したディーラーに行きこれまでの成りゆき(一部は伝えてありました)と間違いなくオイル消費をしているようだ、ということを伝えました。
ディーラーのサービスは、これまでにそのような事例がなく、また新車でそれほどオイルを消費するのは考えにくいので、一度正確にオイルを入れ2000km程度走行後にあらためて調べてみましょう、と言い、私もそれを了承してしばらく様子を見ることにしました。

そして2000km走行後、やはりオイルは減っていました。
半年も経っていない車ですから、私はエンジン載せ替えを要求しました。
ところがちょうどその頃全国のどこかで同じような事例があったらしく、原因はピストンリングにあって交換すれば改善されるらしい、ということがわかりディーラー側には載せ替えではなくリング交換にさせて欲しい、と言われました。
個人的には新車のエンジンをバラすということに非常に抵抗があったのですが、色々思うところがあってリング交換を了承し、作業してもらうことになりました(解説しておきますと、ユーロRのピストンリングの製造元は2社あります。片方のメーカー製の場合は問題ないのですが、もう片方のメーカー製が使用されているとオイルリングの張力不足のため、オイル消費を引き起こす、ということのようです)。

リング交換にあたって、私が要求したのは

という点でした。
そしていざ、作業開始となりました。

気になったのと、興味があったのとで様子を見に行ってみましたが、お願いした通り丁寧に作業されているようでした。
シリンダーブロック上面です。

オイルパンを取り外した後。

多量のオイルが燃焼したためか、燃焼室やピストンにはかなりカーボンが溜まっていました。
それにしてもH22Aのピストンリングの薄いこと!
ピストンリングのフリクションに対する影響が大きいのは知っていますが、それにしても頼りないくらいの薄さでした。
隣にはヘッドの降ろされたF20Bがありましたが、そのヘッドはポートの段差がほとんどなく、非常に滑らかでホンダエンジンの工作精度の高さが感じられました。

作業は丸2日で完了し、車を受け取りに行きましたが帰り道はエンジンが少し重いように感じられました。
リングを交換したのだから無理も無いか、と思い1000kmほどもう一度慣らしを行いましたが、そのうちに元通り軽やかに回るようになりました。
そして1000km走行後、消費はほとんど無いようでしたのでオイル交換をして、ある程度エンジンを回してみました。
まさか同じ車で2度も慣らしをするとは思ってもみませんでしたが、やはり慣らし中はストレスが溜まってしまいますね。
高回転まで回した結果、特にパワーダウンも感じられなかったのでやっと一安心することができました。

これで一件落着かと思いきや...その後も微量ながら消費が見られるようです。
ただし、約5000kmでゲージの半分くらいまでとかなり改善されたため、新たな対策が出るまではこのままで乗ることにしました。

なかなか大変な出来事でしたが、私の場合ディーラーの対応はよく、サービスの方も非常に丁寧に作業してくれました。
他のオーナーの中にはディーラーがなかなか作業してくれそうにない、という方もおられるようです。
ところによっては未だに、そんな事例は聞いたことが無い、というディーラーもあるようですが、次のような主張をしてみてください。

とはいえ険悪な雰囲気になって嫌々作業をしてもらうのは依頼する方としても気分がよくないですから、他のディーラーに行ってみるというのもよいかもしれません。

(追記)
その後、ピストンリング交換から約10,000kmほど走行しました。
間に一度オイル交換したときにはわずかに見られたオイル消費が、ほとんど無くなりました。
これがアタリがついたためなのか、入れているオイル添加剤のためなのかどうかはわかりませんが、これで一応解決といったところです。
ちなみに使用しているオイルは純正オイルのMILDで、添加剤はGRPという製品です。

(2001.1)